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巣鴨に住む 新米コンサルタントのブログです。

センター試験廃止をその導入から振り返る(1)

センター試験とは、現在の受験の常識ともいえる大学入試の1次試験だ。

しかしながら、東京オリンピックが開催される2020年を境に、センター試験というものがなくなってしまう政策が打ち出されつつある。

www.excite.co.jp

え、あのセンター試験がなくなるの!?

と思ってしまう方も多いかもしれないが、実はセンター試験の歴史は浅い。

1990年スタート。つまり15~20年程度の歴史しかないものであり、受験生よりも若干長生きなだけだ。ただ、センター試験の前進としては<共通一次試験>という名前の試験であったことも含めると30年くらいのものになる。

昨今、「なぜセンター試験がなくなるのか!?」というテーマを扱った記事が多い印象なのだが、今回は「なぜセンター試験が導入されたのか?」という点も交えて、その件について触れていきたい。

そのためにもまずは、センター試験の前身である共通一次試験について遡ろう。

 

共通一次試験とは何だったのか。

共通一次試験とは、1979年~1989年までの10年にわたって大学入試に導入された大学入試制度だ。実はかなり革新的な制度で、全国の受験生に共通の一次試験がはじめて導入された制度である。

それまでは、全大学が独自の試験でもって受験生を選別していた。それ故に、出される問題は難問奇問のオンパレード。

 

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(慶応幼稚舎の問題と言われているものを拝借)

 

つまり、教科書なんてものが意味を成さない、大受験戦争時代が続いていた。今では中国や韓国が受験地獄だなんだと騒がれているのだが、まったく同じ状況が日本でも数十年前に存在していた。

 

(参考)

中国の受験地獄 子供の自殺が絶えず日本新唐人テレビ

「韓国は地獄だ」絶望する若者急増 苛酷な競争社会…「母国嫌い」が5割

 

そこで、「教科書通りに勉強すれば合格できるレベルの試験を導入しなければ」という動きが文科省の中で1960年代に起こり始める。そういった経緯でこの共通一次試験は生まれた。つまり、受験戦争から受験生を開放するために生まれたのがセンター試験だった。

しかしながら、私立大学で中心だったマークシート方式が、国立大学の一次試験に導入されたことによって「鉛筆さえ転がせば誰でも正解できる」なんて批判も生まれた。(そんなはずはないのだが笑)

導入して実際どうだったか。

しかし、それでも導入した。

その結果は、センター試験の現状を見ていただいても分かる通り、共通一次試験が導入されたからと言って、受験戦争が緩和するわけではなかった。

それどころか、

新たな試験対策のために受験産業は活発化。

受験戦争受験地獄へと向かっていった。

どういうことが起こったか?というと、

これまで大学によって受験レベルを測ることなどなかったため、

「◯◯大学の◯◯教授の所で学びたいから、◯◯大学対策をする。」

「◯◯株式会社に行きたいから、◯◯大学対策をする。」

という概念だったこの受験という試みが、

共通一次試験で◯◯点だったから、◯◯大学の二次試験対策をする。」

という風に大学の序列化が進んでしまったのだ。いわゆる偏差値に寄る序列というものは、共通のものさしができたことで一気に進んだといってもいいだろう。

 

(参考)

佐藤優の教育論「偏差値を追うと人格が歪む」 

脳科学者・茂木健一郎「東大入試のような偏差値教育が日本をダメにする」

 

また、高等教育サイドも私立高校などは、センター試験に必要のない科目を削り、受験勉強に時間を注ぎ込むようになった。

元々、共通一次試験の導入の理由は先程も述べたとおりだが、その思惑が外れに外れる。その結果、毎年毎年センター制度を変えるハメになった。

 

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